英語リスニング 準備編 ①
「 How to master English listing 」 No.1
英語の勉強において最も努力が必要なのは英作文です。英作文は努力した分だけ自分の血肉になります。成長を実感できるし英語力全般の底上げにもつながります。
一方、英語で最も習得が難しいのはリスニング。
リスニングは「練習すれば必ず英語が聞き取れるようになる」とは断言できません。どんなに練習しても会話の内容がさっぱり理解できない可能性は決して低くない。
英語は日本語のようにハッキリと発音しませんから、下手をするとただの雑音にしか聞こえません。しかもそれが日本語よりずっと早いスピードで繰り出される。それを理解しなければならない。
リスニング習得はいばらの道なのです。
リスニングにおいて最初に知るべきこと。
それはネイティブ英語を100%聞き取るのは不可能であると認識すること。
日本人の話す英語なら100%聞き取ることは難しくない。英語教材の音声やニュースキャスターのように話すことを仕事にしている人の声なら、何とか聞き取れます。
しかし、ネイティブ同士の日常会話になると、とにかく早口ではっきりしない口調(日本人から見れば)ですから、全く聞き取ることが出来ません。男性の低い声は雑音にしか聞こえない。
字幕映画なんかを見ればよくわかるかと思います。
ネイティブの話す英語の何と聞き取り難いことか。
「ネイティブの会話を100%聞き取るのは不可能」であることをまず理解してください。ただ、「聞き取れない」が「理解できない」とイコールという訳ではありません。
センテンス中の一部を空白にして「空白部分にふさわしい単語を選べ」という類の問題。英語の試験はよく目にしますよね。
当然、これは想像力の問題ではなく推理力の問題です。センテンスの前後関係・文脈・文法などから空白部分にどんな単語が入るのか類推することが出来る訳です。
英会話においてはこの「類推する能力」が必要不可欠なんですよ。
聞き取れない部分を類推する能力が。
裏を返せば、穴埋め・類推が出来ない英語レベルでリスニングに挑戦するべきではありません。会話の内容が全く理解できず、途中でイヤになって止めてしまうのが関の山ですから。
では、リスニングに不可欠な類推能力を育むにはどうすればいいのか。最も効果があるのが英作文トレーニング。次いで英文多読。
実際、多読だけで類推能力を鍛えるのは難しいでしょう。英作文のトレーニングで表現力の基礎を培ってから多読で鍛えたほうが効率がイイ。
人間の脳は、ほぼ無意識に楽な方に流れる傾向があります。読んだだけで英文の構造を理解しているように思い込んでしまう。だから、いざ英作文しようとするさっぱり書けない。
英語においては、頭を絞って自分自身の力で英作文してみないと習得出来ないことがたくさんありあます。だから私は何よりも英作文することが大切であると言い続けています。
もちろん、スピーディーな英会話中に試験でやるように「穴埋め」するのは不可能です。
英会話で必要なのは「穴埋め・類推」と言うよりは「想像力」に近いかもしれませんね。想像力を働かせて聞こえない部分と理解できない部分を穴埋めするんです。
「想像力=当てずっぽ(当て推量)」ではありませんよ。
膨大な量の英作文トレーニング、多読、文法の理解。
それに加えて社会背景の理解、会話相手の性格やバックボーン、昨日の出来事と今日のニュースなどなど、考えうる全ての情報をミックスして働かせる想像力は推量と同等かそれ以上です。
一度にそんなにたくさんの情報を処理できないと思いますか?
出来るはずですよ。
少なくとも日本語で会話している人間であれば毎日やっていることです。言語が日本語から英語に変わるだけ。馴染んだ相手との会話から知らない相手との会話に変わるだけです。
言い換えれば、英語でネイティブと会話したければ国際事情やその国の習慣・歴史・毎日のニュースなど事前に調べておくべきなんです。
必要なのは聞き取りのトレーニングだけではありません。
想像力を推理力のレベルまで高めてください。
それがリスニング習得の近道です。
- 【関連記事 1】 リスニング習得 準備編 ①
- 【関連記事 2】 リスニング習得 準備編 ②
- 【関連記事 3】 リスニング習得 準備編 ③
- 【関連記事 4】 リスニング習得 準備編 ④
- 【関連記事 5】 リスニング習得 準備編 ⑤
- 【関連記事 6】 リスニング習得 スピーキング編 ①
- 【関連記事 7】 リスニング習得 スピーキング編 ②
- 【関連記事 8】 リスニング習得 実践テクニック編 ①
- 【関連記事 9】 リスニング習得 実践テクニック編 ②
- 【関連記事10】 リスニング習得 実践テクニック編 ③