英作文の方法 【 名詞 ① 】
「 数えられる名詞、数えられない名詞 」
英作文で名詞を使う際に考えなければいけないのは、「数えられる名詞か、それとも数えられない名詞か」ということ。
数えられる名詞には普通名詞と集合名詞があります。数えられない名詞は物質名詞、抽象名詞、固有名詞に分類されます。名詞の特徴を把握していきましょう。
名詞 「paper」の場合
(A) This suit is made of paper.
(B Give me a piece of paper to write.
(C) I am reading the today’s paper.
(D) I have finished my papers.
同じpaper という名詞ですが、(A)と(B)は物質名詞、数えられない名詞。(C)と(D)は普通名詞、数えられる名詞。同じ名詞でも数えられない名詞として扱われることもあれば、数えられる名詞として扱われることもあります。
(A)のような使い方をする場合、「paper」は「材質としての紙」であり、物質名詞として扱われるので数えられない名詞です。複数形にはなりません。
(B)のような使い方をする場合、「paper」は紙の束のまとまりを指し、その中の一枚なら「a piece of paper」、二枚なら「two piece of paper」となります。複数形にはなりません。分類上は物質名詞。
(C)のような使い方の場合、「paper」は「新聞」という意味。「the peper」なら特定の新聞社が発刊している新聞。「a peper」なら、どこの新聞社ということは特定せず、単に新聞一部という意味。
「papers」と複数形にすると、「複数部の新聞」を指す場合もあれば、「論文」という意味にもなります。「書類・文書」を指している可能性もあります。
同じ「paper」という名詞を使っていても意味が大分違いますよね。ですから、読むときは文脈から意味を推測する必要があります。英作文するときはきちん区別して使わなければいけません。
(A) そのスーツは紙で出来ている。
(B) 何か書くための紙を一枚ください。
(C) 今日の新聞を読んでいるところだ。
(D) 書類(論文)が完成した。
数えられる名詞 集合名詞「family」の場合
(E) There are hundreds of families in the town.
(F) The family has moved in the town.
(G) The family are all good.
「family」は集合名詞。(E)のように複数の家族を表す場合は「families」と複数形にします。家族を一単位として数える場合は(F)のように単数形として扱います。
(G)では、家族を構成するひとりひとりに焦点を当て「みんないい人だ」と言っています。だから後に続く名詞は単数を表すis ではなく、複数を表わすare を使っています。
(E) その町には数百世帯の家族がいる。
(F) その家族はこの町に引っ越してきた。
(G) その一家はみんないい人だ。
数えられる名詞 集合名詞「people」の場合
(H) There are thousands of people in the town.
(I) The people have the right to vote.
(J) There are various peoples in the country.
「people」はそのまま使うと「人々」という意味の集合名詞。「the people」とすると国民や民族を意味する集合名詞になります。国民・民族という意味で使う場合のみ複数形になります。
(H) その町には数千の人々がいる。
(I) 国民には投票権がある。
(J) その国には様々な民俗が混在している。
数えられる名詞 集合名詞「fruit」の場合
(K) Do you like fruit?
(L) The apple is a fruit I usually eat.
(M) There are many fruits in the market.
「fruit」は集合名詞。(K)のように使うと単数形でフルーツ全般を意味します。特定の種類を指す場合のみ、(L)のように「a fruit」となります。(M)は「たくさんの種類のフルーツ」という意味。
(K) フルーツ(全般)好きですか?
(L) リンゴは私がよく食べるフルーツです。
(M) 市場にはたくさんの種類のフルーツがある。
「 数えられない名詞 抽象名詞 」
(N) He gave me a piece of advice.
(O) He didn’t have a care in the world.
(P) Use it with care.
(Q) Use it carefully.
(R) Thank you for your many kindnesses.
(N)「advice」は「忠告」という意味の抽象名詞、数えられない名詞。だから「an advice」とすると間違い。数を入れたければ「one piece of advice」「two piece of advice」と表します。
(O)「care」は「注意、心配」という意味の抽象名詞。(P)「with care」と前置詞を置くことで副詞化できます。つまり、(Q)carefully(副詞)と同じ意味になります。
(R)「kindness」は「親切」という意味の抽象名詞。しかし、「親切な行為」という意味の普通名詞でもあります。なので、複数形で「kindnesses」とすることができます。
(N) 彼はひとつのアドバイスをくれた。
(O) 彼には心配ごとなんて何一つなかった。
(P)(Q) 注意して使ってください。
(R) 数々のご親切に感謝します。
「 数えられない名詞 固有名詞 」
(S) Columbus discovered the American Continent in 1492.
(T) I know a Columbus.
(U) I know the Yamadas.
(S)「Columbus」と「the American Continent」は固有名詞。固有名詞の場合、文頭でなくても頭文字は大文字。当然、複数形にはできない。冠詞の「the」が付くかどうかはケースバイケース。
固有名詞に「a」が付くと「~という人物」「~という物」「~という製品」といった意味になります。(T)の場合、「コロンブスという人物なら知っている」「コロンブスという名前だけなら知っている」という意味。
(U)は「山田」という姓を持つ一家の家族全員を指すため、「the」を付けて複数形にしています。
(S) コロンブスは1492年にアメリカ大陸を発見した。
(T) コロンブスという名前だけなら知っている。
(U) 山田さん一家なら知っている。
「 まとめ 」
- 数えられる名詞 : 普通名詞・集合名詞
- 数えられない名詞 : 物質名詞・抽象名詞・固有名詞
- 数えられる名詞と数えられない名詞、両方の性質を持つ名詞も多いのでご注意を。
- 【LEVEL 4-1】 英作文の方法 【 名詞 ① 】
- 【LEVEL 4-1】 英作文の方法 【 名詞 ② 】
- 【LEVEL 4-2】 英作文の方法 【 代名詞 】
- 【LEVEL 4-3】 英作文の方法 【 形容詞 】
- 【LEVEL 4-4】 英作文の方法 【 副詞 】
- 【LEVEL 4-5】 英作文の方法 【 接続詞 】
- 【LEVEL 4-6】 英作文の方法 【 前置詞 】