記憶力とは何か? ④
「 What need to memorize 」 No.4
人間の脳とコンピュータの違いとは?
コンピュータのメリットは記録を一字一句間違いなく再現できること。残念ながら、この点においては人間の脳は遠く及ばない。1秒前に聞いたことすら忘れてしまうのが人間の脳ですから。
コンピュータのメリットをさらに挙げるならば情報処理の速さ。複雑な計算式をごく短時間で解くことができる。この点においても人間の脳はコンピュータの足元にも及ばない。
とろこで、コンピュータは情報処理するときにどうやって実行しているのでしょうか?
コンピュータにはデータ処理するためのアルゴリズムという計算式が組み込まれているんですよ。
アルゴリズムとはフローチャートで「Yes or No」の設問が用意されており、データを入力すると設問に従って先に進み答えに到達するというもの。
アルゴリズムの枠を超えた答えを出すことは無いから、答えは事前に用意されていると言えなくもない。入力する側の組合わせ次第で独は創的な答えを導くことも可能なのかもしれないけど。
では人間の脳はどうか。
人間と脳はとても忘れやすい。しかも、一字一句間違いなく再現することはできない。記憶はあいまい。あいまいな記憶からデータを再現しようとするから当然、元とは違ったものが出てくる。
実はこの「あいまいさ」は人間の欠点であると同時に武器でもあります。
コンピュータは入力したデータが元のデータと少しでも違っていれば別物と判断するけど、人間は多少元の記憶と違っていても記憶と経験に照らし合わせて判断することができます。
コンピュータと違い、「融通」を利かせられる訳です。
プライミング記憶のケースと同じです。元のデータと完全に一致するかをチェックするのではなく、部分的に見て「これはこういう意味」と半ば直感的な判断が出来るんですよ。
これによって間違う可能性はあるけど、情報を素早く処理することができる。アルゴリズムでは答えが出せない問題であっても。
こんな風に人間があいまいな判断を下す傾向を「汎化」と呼びます。この汎化のおかげで、コンピュータには答えが出せない煩雑な問題でも人間には判断を下すことが出来るんです。
百人百様の答えですけどね。
汎化を英語に活かす
さて、この汎化という脳の働きは英作文においては必要不可欠です。同じ文句をくり返すことしか出来ないコンピュータと人間では、出来が違う違うということを証明しなくては。
人間の脳だからこそ、覚えた英文をそのままアウトプットするだけではなく、汎化して別のものに変換することが可能なんです。
例文ひとつ覚えただけで応用させるのは心元ない。いろんな例文から分析して、実際使ってみて、積み重ねてきた経験とも照らし合わせてある種の法則性を見出す。
それが汎化を活かす道です。
実際、言葉には「ここでは絶対にこのフレーズを使わなければならないという」ルールはありません。本来、言葉とは非常に自由度の高いもの。
だからこそ汎化の能力を最大限活かさなければなりません。
言葉は自由に使えるものだから、だからこそ使いこなせるように自分自身で法則やルールを定める必要があるとも言えるでしょう。
言葉(英語)は暗記しているだけじゃダメです。
汎化して応用してください。
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実際に使ってみるとほとんど使い物にならないけど。
それがコンピュータと人間の性能の違いというこいとです。
もっとも、あくまでも今現在の差ですけど。
コンピュータは日進月歩で進化しています。コンピュータのパフォーマンスに負けないように我々自身も進歩していかなければ早晩人間は不要になってしまうかもしれません。
※参考 「記憶力を強くする」 著者:池谷裕二氏
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