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完了形をマスターする ②

英作文トレーニング 文法編 level 3-3

 「 大過去

時間の前後関係を明確にするために過去完了形を使うことがあります。「大過去」と呼ばれる用法です。大過去とは「過去の過去」を表す方法のこと。

(A) My girlfriend gave a tie for me and I lost it.
(B) I lost a wallet which my girlfriend had given for me.

(A)は「ネクタイをくれた」「そのネクタイをなくした」と、起こったことを順番通り話しているので過去形のままでもOK。後半を過去完了形にしてもOK。

(B)は「ネクタイなくした」「ネクタイもらった」と順番が逆転しているため、後半を過去完了形にすることで時間関係を明確にしています。これが大過去と呼ばれる用法です。

(C) I went out drinking after I finished my work.
(D) I went out drinking after I had finished my work.

(C)は「飲みに行く」「仕事を終えて」と順番が逆転していますが、I finished my work の接続詞 after で前後関係を明確にしているので過去形のままでもOK。(D)のように大過去を用いてもOK。

大過去の場合、過去に起こった出来事の時系列をはっきりさせるために使っているだけですから、過去完了形みたいに「(過去の)あの時」を表す副詞は不要です。

(A) 私の彼女がネクタイをくれたけど、失くしてしまった。(過去形で)
A :


(B) 私の彼女がくれた財布を無くしてしまった。(大過去で)
A :


(C) 仕事が終わった後、飲みに行った。(過去形で)
A :


(D) 仕事が終わった後、飲みに行った。(大過去で)
A :


 「 未来完了形

will には単純未来と意志未来があります。ここに完了形を加えると、未来における完了・継続・経験を表すことができます。

未来完了形を使う場合、「(未来の)ある時」を副詞で明確にする必要があります。

(E) The baseball game will have finished by 10. (完了)
(F) I will have lived here for 10 years tomorrow. (継続)
(G) I will have seen this movie twice if I see it again. (経験)

「未来のある1時点から見た過去」という非常にややこしい設定になります。確定的未来を確信を持って言い当てる感じになりますね。

(E) 10時までには野球の試合は終わっているはずだ。
A :


(F) 明日でここに住み始めてから10年目になる。
A :


(G) もう1度この映画を見れば2回見たことになるよ。
A :


 「 未来の事だけど現在形 ②

「仕事が終わったら飲みに行く予定です」という意味。どれが正解でしょうか?

(1) I am going to drink when I will finish my work.
(2) I am going to drink when I finish my work.
(3) I am going to drink when I finished my work.
(4) I am going to drink when I have finished my work.

When, if など、条件を表す接続詞節(副詞節)中では「条件が成り立つ」と仮定してセンテンスを作るため、未来を表す内容だとしても現在形を使います。

なので(1)の使い方は×。(2) I finish my work とするのも間違い。動作動詞の現在形は反復を意味するから。(3) I finished my work にすると時間関係がめちゃくちゃ。

(4) I have finished my work. とするのが正解です。


完了形とは何か

完了形で注意しなければいけないのは、「過去と関連づけられた“今”」のことを語っているということ。現在完了形でストーリーが始まった場合、語っているのは今現在のことです。

でも、「何事であれ終わった瞬間に過去のことになる訳だから、それを過去形で語ったとしても何の問題も無い」と思ってしまいますよね。例え1秒前のことであれ、終わったら過去のこと。過去形でいいはず。

完了形というのは「気持ちの」の問題だと思います。「イベント自体は終わったけど興奮は今まだ続いている」という気持ち。気持ちは今現在に残したまま過去を振り返る。それが完了形。

一方、過去形は気持ちそのものが過去に行ってしまう。「あの時は~だったなぁ」という感じ。「気持ち」が一度途切れている。

完了タイプの完了形なら、気持ちを切り替えて別の事を始めた時点で過去のこと。継続タイプの完了形なら、継続が途切れた時点で過去のこと。経験タイプの完了形なら、特定の期間で区切った瞬間に過去のことになる。

そんな感じです。

また、気持ちとかは全く関係無しに、必然的に完了形にしなければならないケースもあります。例えば、最初の例に挙げた、I have finished my work.

これを現在形で、I finish my work. と書くと意味がわからない。動作動詞の現在形は動作の「繰り返し」を意味しますから。

「今」終わったということを表すために現在進行形にしたとしてもこれまた意味不明。「今」終わったこと伝えるためには必然的に完了形になる訳です。

I finished my work. と過去形にすると、「仕事は終わっている(ずっと前か、ちょっと前に終わって、今は別のことをやっている)」という意味になってしまう。

「今、決心した」を現在形で、I decide to go abroad. とするものまた意味が通じない。decide は決心を意味する動作動詞だから。「今」決心したのなら、I have decided to go abroad. としなければいけません。

I decided to go abroad. とすると、「前もって決心していた」という意味になってしまいます。

完了形を使っているのにはちゃんと理由があります。英作文するときは過去形と完了形をきちんと区別しなくてはいけません。もちろん、英語を読むときも。

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